VOICES

日本やアメリカと同じ基準感覚で

近藤 卓人

General Manager
Mulodo Vietnam Co., Ltd.

略歴
SIerとして大手金融企業でC/S系システムのWeb化を推進。その後、自社の新規事業立ち上げに伴い、開発責任者として従事。メガバンク系列企業にて米国企業と協業してクラウドバックアップ事業を立ち上げた後、2012年にムロドーに参画、2013年からMulodo Vietnamにて現職。社内全プロジェクトの統括、教育、採用を担当。

現在の役割

Mulodo VietnamのGeneral Manager。社内全プロジェクトの統括管理、人事、教育などを行っています。

仕事内容

日常業務としては、各プロジェクトの統括、リソース管理、採用、教育などを行っています。

全社を統括する立場ではありますが、私自身、毎日Redmineなどから送信されてくる数百通のメールのほぼすべてをチェックしながら、各チームの状況・進捗を管理しています。プロジェクトマネジメントを現場だけに任せるのではなく、ミドル・トップマネジメント層も積極的に実プロジェクトに関わることで、迅速な問題解決やより良い改善につながると考えています。チームに対する直接的な指示出しは基本各マネージャーが行いますが、必要に応じて私自身でアドバイスや指示出しを行うこともあります。

採用やチームへのアサインにも関わります。すべての採用面接には必ず私か根本が参加し、自らの目で判断するようにしています。現在(2016年4月時点)、社内では約20のプロジェクトが同時に走っています。プロジェクトメンバーのアサインについては、マネージャーと私で相談しながら最適なチーム組成を行います。メンバー選定の際には、表面上のスキルや経験だけでなく、本人の性質や特徴をつかむことが肝となります。案件への適正という視点に加えて、メンバー同士の相性なども重要な要素になってくるからです。従って直接自分で採用・教育を行うことにはこだわっています。

あとは、どうしたら社員たちが楽しく仕事ができるか、スキルアップできるか、そんなことを日々考えながら仕事をしています(笑)

ベトナムオフショア開発に関して

弊社を含めたベトナムの若いエンジニア達は、例えるなら食欲旺盛なヒナ鳥です。巣の中でお腹をすかせてピーピーと泣いているわけですね。でも、誰かに餌を与えてもらわないとなかなか成長できないし、巣立ちできない。然るべき情報をインプットし、教育を行うことで、ヒナ鳥はおそるべき速度で成長していきます。当社では、研修プログラムによる教育に加え、社内勉強会やOpen meetupを頻繁に開催することで、彼らの成長を後押ししています。ベトナム人エンジニア達の成長は、単に目の前のお客様やプロジェクトのためだけでなく、ベトナム社会の発展にも寄与することです。教育に力を入れることは、仕事をさせてもらっているベトナムという国への恩返しだとも思っています。

人材の質という点ですが、そもそもベトナムには日本によくいるような文系エンジニアがほぼいません。社員達は皆、大学でコンピューターサイエンスを専攻しプログラミングを学んできています。さらに当社のエンジニアは国内TOP5の大学出身者ばかりで、地頭も相当なものです。そういった優秀な「素材」に、教育による正しいインプットと業務経験が伴えばどうなるか。私が深く関わったあるプロジェクトでこんなことがありました。コードレビュー時に、チームのメンバーがアルゴリズムの改善について提案してきました。そこには、アルゴリズムを変更することでレスポンスが100倍改善されると、証明の計算式まで記載されていました。残念ながら、彼が提案したアルゴリズムは私にはすぐに理解できませんでしたが。。。。(苦笑)

ベトナムに限らず、これからオフショア開発を検討されている企業様に対して、ぜひ考えてもらいたいことがあります。オフショア開発を行うということは、自社がグローバル化するということです。そして一緒に開発を行うパートナーは同じ日本人ではなく、国や言葉はもとより歴史や文化も全くことなる人種だということを念頭においてください。そこでは、日本流の仕事のやり方や商習慣を一方的に押し付けることはできません。日本国内での開発のように、丸投げや「良きにはからえ」的なやり方は上手くいかないことが多いです。常に日本以外の国の人達と仕事をしているという意識を持つということがとても大切です。

オフショア開発をはじめるということは、すなわちその企業が自らグローバリゼーションの第一歩を踏み出すということなのです。

ここまで読むと、オフショア開発とはとても敷居が高く面倒なように感じられるかもしれませんが、ご安心ください。当社も豊富な実績と経験をもとに丁寧にアドバイスを行いますし、成功へと至る道を並走させて頂きます。ともに作り上げた開発チームは、必ずやお客様の強力な武器になるはずです。

ムロドーベトナムの強み・特徴

しばらく前からベトナムでのラボ型開発が日本のメディアでも頻繁に紹介されるようになってきました。その内容は、「開発会社が人を集め、場所と設備を提供し、お客様が常駐して開発する」といったスタイルです。ラボ型開発とは単なる人貸し、場所貸しにすぎないと解釈されている方も多くいらっしゃいます。しかし、私たちはそうではないと考えています。人貸し的なスタイルでは、ある意味全てがお客様任せとなり、マネジメント負荷、教育負荷が全てお客様に寄せられてしまいます。

弊社においても実際にお客様と開発を進めてゆくのは契約したチームですが、弊社はミドルマネジメント層を厚く抱えており、加えて社長の根本と私もエンジニア出身です。マネジメント層の人間が実質的にプロジェクトに参加し、常にプロジェクトの改善に取り組んでいます。現場のコミュニケーションに問題があった場合などは、すぐにキャッチアップして直接やりとりに介在しますし、技術的課題が発生した時は、私たち自ら直接お客様とやり取りして解決にあたります。このようにして、若いスタッフの経験不足を補っているわけです。

技術教育に関しては、社長の根本と私が定期的に勉強会を開催して技術力アップに努めています。もちろん技術力は座学だけではアップしませんので、実際にコードを書いて見せたり、抜き打ちでコードレビューを行ったりと、直接指導にあたっています。

また、プロジェクト開始時には、基本的に私がフロントに立ってお客様とやりとりさせて頂いています。どのようなフローで開発を進めていくのか、ドキュメントはどの程度のレベルで書けばよいのか、どのような形でコミュニケーションを取れば良いのか、お客様の置かれている環境、開発対象のシステムを理解し、事前に相談させて頂いたうえでプロジェクトをスタートします。私たちにはベトナムでの開発経験から得たノウハウがありますので、そのノウハウをできる限りプロジェクト開始前にお客様に対してブレイクダウンしています。

以上のように、プロジェクトをお客様と現場チーム任せにせず、経験あるミドル・トップ層自身が日常的にフォローしている体制こそが、他社とは明確に異なる強み、特徴だと思っています。

オフショア開発に関する苦労と喜び

苦労ですか。。。たくさんありますよ。全部は言いませんが(笑)

繰り返しになりますが、ベトナム人エンジニアは若い分経験が乏しい場合が多く、これは地頭が良く高い技術力がある場合でも同様の事実です。従って、経験に基づき、自ら何かを創り出すことが得意ではありません。一度敷かれたレールに乗ればハイスピードで走っていってくれますが、レールを敷設するのとそのレールに乗り込むまでのプロセスが苦手な人が多い。既存のプロジェクトマネジメント手法などを適用して、その通りに進めたりすることはできますが、そもそもお客様によって環境や開発の進め方が違ったりしますから、何らかの手法を教科書通りにそのまま適用するなんてことは現実問題としてできないわけですね。そこがなかなか理解してもらえなかった。赴任当初はこのレールを敷設する作業、レールに乗せる作業がとても大変でした。

また、人に教えてもらうという文化が根付いてるので、この考え方を変えることにも苦労しました。工場などの労働集約型の産業では、会社が教育をしてその通りに仕事をすればいいわけですが、エンジニアリングはそうはいきません。必要な知識、技術を全てを会社が教えるなんてことは不可能ですし、そもそも会社は学校ではないわけで、お金をもらえて教育も受けられる、そんな場所ではない。ですので、これらの意識改革を根気強く行いました。文化として根付いてしまっているものを完全に取り去ることはできませんが、今では随分高い意識を持って業務に取り組んでくれているように思います。

喜びについて、これはもう社員の成長に尽きますね。

とあるプロジェクトで技術プレゼンを行いました。そのプレゼンの内容はまさに「木を見て森を見ず」で、詳細については述べられていましたが、その技術はそもそも何なのか、どういった場合に有用なのかということが欠けていました。そのような点を指摘して再度プレゼンをやってもらったところ、見違えるような出来になっていました。この時は本当に嬉しかったですね。コードレビューも最初は積極的にやってくれませんでしたが、私自らコードレビューを何度もやってみせたことで、今では何も言わずあたりまえのようにやってくれています。

このように日々どうやったら社員が成長できるのか、あれやこれやと考えているわけですが、思いついたアイデアを実践して社員が大きく成長してくれた時は本当にガッツポーズものですよ!

あとは、お客様に弊社のチームを評価してもらえた時かな。契約されるお客様は別の国でオフショア開発失敗の経験があったり、あるいは全くオフショア開発が初めてだったり様々です。最初は、皆様共通して「未知への恐怖」や「失敗への恐怖」といったネガティブイメージを持たれています。そんな中でチーム、マネジメント、経営が一体となり全力を尽くした結果、お客様から「ムロドーさんとオフショア開発をやって良かった」という言葉を頂けた時には、本当に充実感と達成感を感じます。

今後の展望

現在、ベトナムでオフショア開発をはじめる企業の多くは、価格重視でクオリティには目をつぶる、といったスタンスを持たれている場合も多いかと思います。中国やインドの価格高騰で、ベトナムにシフトして来られる企業も少なくないでしょう。しかし、いずれはベトナムも経済発展にともなう価格競争力の低下が起こるはずです。そのような未来においても当社を選び続けて頂けるよう、日本やアメリカと同等の基準感覚を持ちつつ、顧客満足にこだわった開発会社として向上していきたいと考えています。皆様、ベトナムにお越しの際には、是非当社にお立ち寄り下さい!